住む
高村幸彦さん
民泊オーナー
東伊豆町民インタビュー NO.69 高村幸彦さん後編
前編では高村さんのご経歴や、今やられている民泊の宿での海外のお客さんの伊豆での過ごし方について伺ってまいりました。
引き続きお話伺っていけたらと思うのですが、海外のゲストさんが滞在された際、どのような反応があるかお教えいただいてもよろしいでしょうか?
稲取高校の下から見る港町の雰囲気がいいというようなリアクションをよくいただきます。
灯台のライトアップについてはよく「あれはなんですか?」と聞かれます。説明するとだいたい見に行ってくれますよ。
お食事処についてよくオススメを聞かれ、中華・海鮮・そばなどを紹介するのですが、海外の方はちょっと車で行かないと難しいなという場所でも平気で歩く方が多いです。
距離の感覚が日本人とはちょっと違うのかもしれないですね。
自転車で来る人達もいてちょっと危ないなと思うことも…
電車の終電時間はちゃんと伝えておかないと、都会の感覚で訪れるゲストも多いので注意が必要です。
そこについては注意しておかないと、帰ってこれないケースもありえるので、意識的にアナウンスしています。
たしかに住んでいる身からすると当たり前のことも、伊豆半島を初めて訪れるような人には気をつけないとならない点がいくつかありますよね。
役場に在職されているときから東伊豆に対して、どうにかできたらと思うことはありましたか?
もしあればその思いはいつどんなきっかけで芽生えたのかお教えいただきたいです。
町を発展させるためには、人づくりが大切だと考えてきました。
定住することは難しいと思うので、関係人口となる人をうまく町の活力にしていけるといいなと。
人口が増えることが目的になりがちだけど、それはハードルが高いです。
そういう点ではテレワークやフリーランスの人たちに可能性を感じています。
今の時代だからこその暮らし方ができる人たちが関係人口となってこの町に関わり合いを持ってくれたら可能性が広がりそうです。
町の人口は減っていくからどんどん地域の動きに絡んでもらって、みんなが汗をかくような動きを作っていければ、町の活力に繋げられるのではと考えています。
行政ができることは限られているため、それぞれで地域で動いている個人や団体をつないでまとめてくれるプロデューサー的な立ち回りをする人が必要だと思います。
先行事例としては熱海のまちづくりがあると思っており、人が人を呼び店舗が店舗を呼ぶような状況が東伊豆にも生み出せるといいなと思っていて、小さな路地を豊かにして人を呼び込めるように工夫することで賑わいを作っていけるのではないかという仮説を持っています。
また、外国人がどういう動きをするのか気になったので、久しぶりに河津の桜まつりを見に行きました。
会場では中国人は団体行動、欧米人は群衆から離れて桜を楽しんでいて、それぞれがツアーや個人旅行で来ているからそういう動きをしているのか、国民性みたいなものがあるのかまではわかりませんでしたが、すごく顕著でした。
また、河津桜まつり会場周辺の民家の軒先でおしるこやさんが営業していて、人の溜ができていた。
そういうのが町の賑わいを生み出していくんだと思います。
桜まつりの賑わいを見ていて人が人を呼ぶという相乗効果のようなものを感じることができ、これは東伊豆でのまちづくりにも活かせる部分があるんじゃないかとも考えました。
滞在してくれるゲストの動きに本当は同行させてもらいたい気持ちがあるけれど、彼らは彼らの目的があるのでそういうことは控えています。
夜に食事ができるところがもっとあるといいですね。
ヨーロッパの人たちは生活スタイルがどこも似ているみたいで、夜が長いので、稲取の港がライトアップしているから、海辺にオープンテラスみたいなお店があったらいいなと思っています。
そこに地元の人達がいて、観光客とも会話を交わしながら交流が生まれたらいい経験になると思うんですよね。
そういう場があると観光客同士の出会いの場にもなりそうです。
ゆくゆくはHIDAMARIHOUSEでも複数の組を受け入れるということも考えていて、周年イベントとかも開催したいですね。
宿も町も一緒で人がつながっていくと良くなるという点で同じだと思うんです。
人と人が交わる場のデザインについて様々なお考えをお持ちだということがお話の中から感じ取れました。
地域のまとまりを作っていきたいですよね。
そんなお考えをお持ちの高村さんご自身が挑戦してみたいこととかってあるのでしょうか?
チャレンジしたいなと思うのが、稲取高校の下の国道でイベントなどやってみれたら面白いのではないかと思うんですよね!
以前工事で通行止めになったことがあるのですが、そういうタイミングなら社会実験のような形でアクションを起こしてみることもできるんじゃないでしょうか。
普段とは視点を変えて地元で過ごしてもらうことで、この土地の良さを再認識してもらいたいんです。
あとは、豪華客船を誘致してみたいですね。
下田市が全面バックアップの元、日本丸が来航しました。
お客さんたちは町に出迎えられて、観光を楽しんだようですが、物理的には稲取でも沖に船を停泊させてお客さんたちに港町の路地を歩いてもらいたいですね。
そうなるときに備えて、まちあるきが捗るような、人の流れを引き込むお店が生まれてくるといいですね。
目標は、将来の町の豊かさを具体化していくこと、観光を充実させるということではなくて、住まう人が豊かに暮らせていて好きでいてくれること、時代に流されない誇れる豊かさがあることです。
自立しながら実現できるように、小さいことからでもはじめられたらいいなあ。
素敵な夢ですね!実現できるように小さなことを積み重ねていく所存であります!
自分たちも本日高村さんから教えていただいた外からの目線を意識しながら日々暮らしていけたら、町で起こる様々な出来事がより刺激的に感じられるようになるのかもしれないと思いました。
高村さん、本日はお話伺わせていただきありがとうございました!!