住む
荒武優希
まちづくり
東伊豆町民インタビューNO.35 荒武優希(前編)
今回はいつも東伊豆でのFW(フィールドワーク)で活動をする際に私たち静大フィールドワークメンバーと東伊豆の方をつなげてくれたり、大学生のみではできない活動を支援してくださったりしている荒武さんに、私たち一年生が独占インタビューさせていただきました!
本日はよろしくお願いします!それでは早速ですが、学生として東伊豆町で活動していた荒武さんが社会人として東伊豆に移住してまで活動を続ける理由は何かありますか?
そうですね、単純に就活がうまくいかなかったことが理由の一つとしてあります(笑)
みんな大学に進学して目指すものは良い企業に就職することというのが、普通になっていると思うのですが、就職活動に弾かれちゃう自分みたいな人もいます。
それなので私は、就職活動に弾かれても違う道もあるんだよっていうことを、当時自分が大学卒業後の進路に悩んだように、同じような感情を抱いている大学生みんなに示したいと思っています。
自分なりの人生を普通に就職しても歩めるのですが、会社で勤めるだけが人生ではないよねということは、まだまだ道半ばですが、この道を選んだからには後輩の皆さんにはお見せしていきたいなと思っています。
私が想像している会社員と荒武さんだったら、荒武さんの方が1000倍も1万倍もキラキラしてます!
いやいや、そんな事ないですよ。会社でお勤めの方もすごくかっこいい方がたくさんいらっしゃるんですよ。
やっぱ同級生たちはみんな就職したり自分の夢を追いかけたりしているんですけど会社に入ったからといって輝きが鈍るわけではなく、自分の置かれた環境で責務を全うして、みんなから評価されて良い立場になっている事が目に見えているし、やっぱり経験豊富な方とチームを組める点でいうと会社という環境は恵まれるんだろうなと思います。
それぞれいろんな人生があって良いと思います。
自分がいる環境に不満を持たずに自分ができることをただひたすら黙々とやっていくのが大事なんじゃないかなという結論に今は至っています。
ありがとうございます!
そうしたら、東伊豆というフィールドにいる私たちフィールドワークメンバーに、どんなふうになって欲しいのかなという願いというか、育てる立場からの想いなどはありますか?
初めて話すかもしれない話になるのですが、三代目(現二年生)を受け入れ始めたあたりからみんなの環境が変わり始めてきて、最初は他のメンバーとも相談しながら静大FWを受け入れていたんです。
それで静大の一番最初に受け入れさせていただくときに「ただ受け入れているだけじゃダメだよね」という話をしていて、なにか目標を立てようとなったときに、地方は担い手(プレーヤー)が少ないから少しでも地域の取り組みに前のめりに関わってくれる人を増やしていけるフィールドワークにしていこう!という話になりました。
「第二の荒武育成プロジェクト」みたいな仮タイトルをつけていたのですが、静岡大学のフィールドワークメンバーには「自分たちにもできるんじゃないか」という前のめりな気持ちを持って、いろんな地域やフィールドに飛び込める人になってもらえると良いよねという思いを持って受け入れさせてもらっています!
そうだったのですね!
そうするとこれからのFWの活動では私達が地域のプレイヤーをサポートする側に回るという風に思っていたのですが、荒武さんが橋渡しという重要な役をこれから東伊豆メンバーに担ってほしいという思いが込められているということなんでしょうか?
そうですね、東伊豆でもプレイヤーが少しずつ増えてきた実感があります。
でもプレイヤーは地域の中で孤独だから、その人たちに寄り添える人だったりサポートできる人がいてもいいと思うようになりました。
静大FWを受け入れようと動いていた当時に考えていた地域との関わり方は0か100か、で住むか住まないかだったんですけど、もっと多様な関わり方があることに気がつき始めました。
個人的な思いとしては0か100かじゃない地域との関わり方で、自分自身が幸せになれる関わり方を見つけてもらえたらなと思っていますね。
まず一番は地域の人と繋がれるというか、チームを作ることで信頼関係を築いたりとか、「ただ地域に来ている学生とただ受け入れている地域の人」という構図以上の関係になっていきたいなと思っています。
FWを受け入れる中で、みんなには地域のことを知ってもらいたいですし、地域の中で活動をする人たちの様々な感情を感じ取ってもらえたらなと思っています。
プレーヤーは言われてなるものじゃないので、そこは無理強いしてもしょうがないなと思っていますが、まずは地域と関わるきっかけを持ってもらうところからそれぞれの気づきを持ってもらってアクションしていけたらいいんだと思います。
そのアクションの仕方は人それぞれで、静大FWとしてそのアクションを起こすも、はたまた個人的に関わるっていう選択肢もあって、それぞれ自分の心が動いた選択をしてもらってご自身の経験値を溜めていってもらえる受け入れに務めているつもりです!
ありがとうございます!最初はプレーヤーを増やすことを考えて受けいれていたけど、年々活動するにあたって地域活性化の動きが全国的に出てきて、それが一般的になりつつあってその活動をする中で荒武さんや他のプレーヤとして活動をする人たちにも心境の変化があって、プレーヤーを増やすこともそうだけど、そのプレーヤーたちは孤独だから今までにない地域との新しい関わり方を模索していこうということですか?
はい、そうですね。
もちろんプレーヤーになるという選択肢を持ってもらえたら何より嬉しいことではありますが、なってくださいといってなるようなものじゃないですよね。
当時は私も稲取に来たての身で独身で学生上がりで自由奔放な選択ができるタイミングだったからこそ地域に飛び込むという選択ができましたが、家族構成が変わってくればそれもできなくなってきますし、それを促したところで来てもらった人に何ができるんだろうって考えたときに何もしてあげられないなって思ったんです。
責任感が薄かったというか、人の人生をなんだと思っているんだって話になってしまうなと気づいたんです。
いろいろなことに挑戦して危険を顧みない猪突猛進力はありましたが、ふと振り返ったときに同じ事ができる人ってそんなにいなかったんです。
冷静になるとそりゃそうだよなと思いました。
選んだからには退くわけにもいきませんし、いろいろな人の思いを背負ってここに立っているので、それがみんなの立場になって考えたときに全てが幸せではないなということを、7年活動してきて思ってきたことです。
僕らの熱量をそのまま下の代に引き継ぐことはできないことは学生時代からずっと話してきたのですがまさしくそういうことだと思ったんです。
僕らも今こうして地域を舞台に活動させていただく関わり方をしているので、今この土地の持つポテンシャルを信じて日々やっていく感じですね。
ありがとうございます!
今まで荒武さんからプレイヤーは孤独だということを何度もお聞きしてはいましたが、改めて奮闘していることを聞けてすごく新鮮でした!
そうですよね。荒武さんは今のお仕事は内容的にどういったことをしていますか?
まず、この静大FWの受け入れも仕事としてやらせてもらって、あとは東伊豆通信も東伊豆町からの委託事業ということで行っています。
あと空き家の利活用の全体のマネジメント業を行ったり、東伊豆学生サミットや未来会議とかのオンラインイベントなどで東伊豆地域の関係人口を増やしていく事業を東伊豆町とともに進めています!
他には、シェアキッチンであるダイロクキッチンの運営とコワーキングスペースであるEAST DOCKの運営、2020年10月には合同会社so-anを立ち上げて宿泊施設「湊庵 錆御納戸(そうあん さびおなんど)」を空き家をリノベーションしてスタートしました!
今まで東伊豆に関わってくれた人にこれからもどうやって関わってもらうようにするのかを考えています。
あとは、旅館で働く若者たちは同期が少なかったり、伊豆の外側から勤めにやってくる人もいて、東伊豆についてもそんなに知らないのでその人たちに向けて交流会も兼ねた研修会を開いています。
楽しい思い出を持ってもらってキャリアアップしてもらえるような活動もしています。
お仕事内容が多岐にわたることがわかりました(笑)
地域の人達との関係性を大切に事業を開拓されていることがわかりました!
ここで前編は終了です!
後編はより突っ込んだお話を聞いてきたいと思います!
ありがとうございました!