住む
光成佑一さん
クリエーター
東伊豆町民インタビューNO.57 光成佑一さん
本日は東伊豆町が漫画家を志す若者を受け入れ、創作活動に励みながら勤務できる職場を紹介する「クリエイター創出事業」にて東伊豆町へやってきた光成佑一さんにインタビュー。
光成さんが東伊豆にやってきた経緯や漫画に関心を持つようになったきっかけ、今後の展望などについて伺っていきたいと思います。
光成さん本日はよろしくお願いいたします。
まず、漫画に興味を持ったきっかけを教えてもらってもいいですか?
親が漫画好きという影響もあって、僕自身も漫画の『ワンピース』が好きで、子供の頃に最新巻の単行本を読み終えると毎回続きが気になっていました。
これからのストーリーは作っている人しか知らないんだよなということを思い、自分も人にワクワクしてもらえるような作者になりたいなと漫画家を意識するようになりました。
小学校のころは、ポケモンの模写を友達に褒められて漫画家になれたらいいなとぼんやり思っていたんですが、中学校の卒業文集には漫画家になりたいということを書いていました。
高校は、帰宅部でしたが絵は描き続けていて、独学で人の顔を描き続けていました。
絵の勉強をする上では、既存の漫画作品を模写して画力を向上させるという人が多いみたいです。
高校卒業後は漫画の作り方を学ぶため、九州の中で一番いいなと感じた麻生情報ビジネス専門学校のマンガアニメ科、マンガコースに入学しました。
同級生は10人ほどいました。
同級生たちとはマンガやアニメ、ゲームの話題で盛り上がっていたのを覚えています。
卒業制作を東京の有名出版社に持ち込むことになり、ジャンプ、ジャンププラス、マガジン、サンデーを発行している大手を訪ねました。
率直な気持ちとして、厳しそうだし怖いなと思っていたんですが、昔の作品と現在の作品を持ち込んで、画力の成長スピードなども見てもらった結果、実際に担当の方に付いてもらうことなりました!
ただ、実家に帰省してアルバイトで稼ぎながら描くことを勧められたり、書きたいジャンルと共通する映画を50本見るよう指示を受けたりしていて、実際映画を元の題材にして漫画に取り込むことはよくある話だったりしますが、求められているハードルの高さに応えられずに担当を外れてもらうことにしました。
後に有名作を排出していた担当者さんだったことを知って今は後悔しています。
その後にもう一度、出版社へ作品を持ち込んだ際には、よりキャラクターに魅力を持たせられるようになるといいというアドバイスをもらい、自分の中でストーリーに重心を置きすぎていたという気付きが得られました。
漫画作品を描く上で大切なのが、頭の中で勝手にキャラが動くことだと言われていて、僕はまだ自分の頭の中でキャラが動くという感覚が掴めていないので他の作品を見ながら勉強しています。
光成さんの原点となるお話から、これまでの経緯など詳細に教えていただきありがとうございます。
お話されていた出版社の「担当」とは具体的にはどんなことをしてくれる立場の人なんでしょうか?
出版社の新人賞を受賞する作品を作るお手伝いをしてくれたり、実際誌面に連載させる作品制作のお手伝いをしてくれる方で、僕の場合は担当がつくことがゴールになってしまいました。
新人賞を受賞する前に担当がついてしまったことで、満足してしまったんです。
次にもしも担当がついた場合は積極的に連絡を取り合い、アドバイスを素直に受け止めたいと思います。
ただ、一生懸命描いたものが一蹴されてしまった経験もあるので、自分の中で気持ちの整理が必要です。
なるほど、出版社から作品制作のサポートやアドバイスが受けられる機会が得られるということなんですね。
次こそはチャンスを逃さない姿勢が大切だと思います!
漫画の制作活動をされるうえで大切にしたいこと、現状の課題などありましたら教えていただきたいです!
僕の場合、映画を見ると制作意欲が湧きます。
先生には「ショーシャンクの空に」などを人間ドラマとして鑑賞できるようなタイトルを勧めてもらっていました。
漫画としては、泣ける漫画、心に残る漫画に関心を持っていて、テレビでも人間の心理描写や繊細な表現が好きで、どうしたらこのような人の心に残る感動的なストーリーを作れるのだろうと研究していたりもします。
ただなかなか行動に起こせていないのが現状で、仕事が終わって帰宅するとどうしても疲れているため、意欲がわかないことが多く、テレビや動画を見て1日が終わってしまうというループが続いてしまう…この連鎖から抜け出すためになんとかしないとなと思っています。
高校時代は熱中して勉強に取り組めたのであのときの感覚を取り戻したいです。
振り返ってみると誘惑が少なく、双子の兄の孝一は部活を頑張っていたからそれが刺激になって、僕自身も頑張れていた時期だったのかなと思います。
兄とは合作を制作してみようと話はしていますが、忙しさで実行には移せていません…
疲れにくくなるために、筋トレをしたりサプリを飲んだり、体力づくりの努力はしていますが、いろいろと試行錯誤が続いていますね。
行動を起こすことって、勇気も体力も根気もいるので大変なんですよね。
疲れを吹き飛ばすほどご自身の中から制作意欲が湧き上がる日が来ることを願っています!
それでは次の質問で、東伊豆にはどのようなご縁でいらっしゃったんでしょうか?
福岡にいるまま漫画家を目指すという選択ではアルバイトで潰れてしまうという話を聞いていたため、先生から紹介してもらった東伊豆町で漫画を描きながら働ける道を選びました。
卒業のタイミングで漫画家になるための何かしらチャンスを掴もう!という気持ちがあったため、みんなが選んでいなかった東伊豆で漫画家を目指す道に思い飛び込んでみました。
当時の自分にとってマンガと繋がり続けられる可能性が高い環境を選べて、本当に良かったなと思っています。
東伊豆で漫画を描く道をチャンスと感じ、自ら選択して、縁もゆかりもなかった東伊豆にやってきたんですね!
実際の伊豆での暮らしっていかがでしょうか?
基本的に自炊をするので、外食はしていません。
コミュニケーションについて苦手意識があるので控えているんです。
気持ちとしてはコミュニケーションが取れるようになりたいと思っており、人との交流の中からも心理描写を描くためのヒントが得られるはずなので、今後は積極的になっていきたいです。
土産物屋で働き、接客技術が向上してきているので、今後の町の人たちとのコミュニケーションにも活かしていきたいです!
漫画家になりたいと思っていた学生当時のイメージが自分の中に強く残っていて、やはり週刊誌の紙面に掲載されることを目指していきたいなと思っています。
今後は、ストーリーの制作は先生に協力してもらいながら、熱川温泉にゆかりがある「太田道灌(おおたどうかん)」をテーマにマンガを構築していこうと考えています。
ただ、それだけではストーリー力が身につかないので、オリジナルストーリーも描いていきたいです。
自分ができる形でお世話になっている東伊豆町の認知度UPにも貢献したいので、ストーリーと漫画を作るスキルを身に着けて新人賞の受賞を狙っていきます!
光成さんの新しい挑戦が始まっているんですね!
光成さんが漫画と一緒に人生を歩まれていることがよくわかるお話をたくさん伺わせていただきました。
本日はどうもありがとうございました!