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山田作喜子さん、絵梨奈さん
山長水産
東伊豆町民インタビュー NO.70 山長水産(山田作喜子さん、絵梨奈さん)後編
前編に引き続き、山長水産のお二人にお話を伺っていきます!
前編では山長水産さんの成り立ちについてや稲取の昔の情景ついてお話を伺ってまいりました。
次は山長水産さんのお店のこだわりについて伺えたらと思うのですが、どのような点を意識されながらお店を営業されているのでしょうか?
金め鯛味噌漬けの材料になる金目鯛は肉厚で脂の乗ったものをしっかりと選んで使用しています。
その詳細については企業秘密ですが、鮮魚店時代から父と母がお魚の品質にこだわっていたというのもあって、美味しいお魚の状態についての知識を持っています。
金め鯛そのものの素材選びに加えて、使用するお味噌にもこだわりがあって、島根県から手作りのミソを仕入れています。
島根県産の大豆と良質なお米で、添加物を一切使用せず、地元の方に手作りで作って頂きました。
沢山の生きたままの乳酸菌や酵母も生きているお味噌を使っていることもこだわりの一つです。
全行程が手作りなので安心で安全な食品であることを保証してお店を営業しています!
あとは通りすがりの地元の方や観光客の方に気軽に挨拶ができたり立ち寄ってもらえるお店作りも意識しています。
長年積み重ねられてきたノウハウがあるからこそ、こだわり抜かれた美味しく安心安全な商品が生産されているということなんですね!
店舗へご来店されるのはどのようなお客さんが多いですか?
30代くらいから幅広い世代のお客様がいらっしゃいます!
美味しいものをお土産に買っていきたいという旅館ホテルに泊まったお客さんが、女将さんからおすすめされて来ましたと訪ねてくる方が多く、大変ありがたいことだなと。
旅館さんからは安心しておすすめできるから、ありがたいと言ってもらえるんです。
私たちこそ地元の皆さんに支えられてきてやってこられているので感謝しかないんです。
そんな思いの中、私達の仕事を通してみなさんに喜んでもらえるのが一番ですね!
山長水産さんを知ったきっかけは僕も地元の知人の紹介でした。
お二人のお人柄もそうですし、美味しいというのもあいまって地域から愛されるお店になっているということなんだと感じました!
ちなみに実店舗での購入の他にも山長水産さんの商品をお求めいただくことは可能なのでしょうか?
店舗の他には山長水産のネットショップやふるさと納税、駅前のお土産屋のカイドさんでもお買い求めいただけて、お電話やFAXでも商品購入を承っております!
日本各地からお買い求めいただいており、北海道から沖縄まで発送しています。
帰省していた稲取出身のアメリカに住んでる人がお土産としてうちの商品を購入してくれたり、ロサンゼルスに住んでいる後輩も買ってくれたりと、海外デビューも果たしています!!
国際情勢の影響でなかなか簡単には話が進みませんが、海外への販路開拓にもチャレンジしています!
たくさんの販路をお持ちなんですね!
海外まで流通を考えられているなんて驚きでした!
話はちょっと変わりますが、絵梨奈さんは一度稲取を出られて戻ってこられたと思うのですが、巣立ってから感じた地元のよさってどういうところを感じられていましたか?
海鮮を食べられることが当たり前じゃないんだなというところですかね。
稲取を出るまでは毎朝干物を食べていたので、外の土地に出て初めてそれが当たり前ではないということに気が付きました(笑)
あとは夏祭りが好きで、地域のみんなで作り上げるっていう行事は他の土地でもあると思うんですが、地元のお祭りなのでアットホームさが全然違っていて、時折りお祭りの雰囲気を思い出しては恋しくなっていました。
小学生のころには仕事の手伝いをしていたため、親の仕事を間近で見る機会があるという環境はなかなか経験できるものではないのかなと思います。
仕事に対するこだわりとか、そういうものがわかっていたので、それを私ももっともっとみんなにこの商品の良さを知ってもらいたいなっていうのは、昔から思っていたんです。
10代までしか地元にいなかったので、実はまだまだ地域人たちとのコミュニケーションというのは取れていないなという感覚があって、支え合いながら共同体として生活していけたらと考えているので交流に積極的になる姿勢が大事だなと思っています。
海と近いこの町ならではの生業を営まれているご家庭ならではのお話を教えていただくことができました!
また、地元に帰ってきたいと思えるお祭りがあるということ、とても大切なことなんだなと改めて思いました。
これまでお二人のお話からお店に気軽に立ち寄ってもらいたいという想いを伺えたのですが、そういうお店のあり方を目指される背景としてはどのようなお考えがあるのでしょうか?
一番の心配事として自然災害があります。
有事の際、高齢化が進んでいる地域はみんなが力を合わせ、助け合わないと乗り越えられないんじゃないかなと考えています。
30メートル規模の津波が来たときにどこに逃げたらいいのか、わかっている人がどれだけいるのか心配です。
一次避難が完了できたとして、国道ががけ崩れなどでふさがってしまった時は陸の孤島になりかねないです。
備えるに越したことがないので、もっと防災に関心を持っていろいろな取組が進められることを願っています。
いざとなった時からでは遅いので、避難生活についてもシミュレーションをしておく必要だと考えています。
災害時は若い男の人の力が必ず必要になってきますが、地元の若い男手は外に出ていってしまっているため、今移住してくれている若い世代の皆さんと連携を深められるといいんじゃないかなと考えています。
隣組の班長がお年寄りなので瞬発的な判断や動きができる人が求められていると思うんです。
これまでの人のつながりを大切にしていきたいという気持ちはもちろんですが、そういった有事の際の観点からも、より一層人のつながりを作っていけるといいなと考えているんですよね。
なにか起こってからでは遅いですからね。人のつながりを広め・深めつつ有事に備えていけるよう僕自身も立ち回っていこうと、お話を伺って改めて思いました。
山長水産さんのことやお二人のお考えまでたくさんお話を伺うことができました!
この度はインタビューにお答えいただきまして、ありがとうございました!!