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伊豆オリーブみらいプロジェクト
東伊豆町民インタビューNO.34 伊豆オリーブみらいプロジェクト(前編)
本日は伊豆オリーブみらいプロジェクト「With Olives」に取り組まれているプロジェクトメンバーの皆さんにお話を伺っていきます!
京極忍さん、高橋広和さん、本日はよろしくお願いいたします!
まずは皆さんが取り組まれているプロジェクトの概要をお教えください。
伊豆オリーブみらいプロジェクトの取り組みは2013年から、東急と伊豆急ホールディングスとではじまりました。
2019年から、J-オイルミルズが加わったため、現在はその3社で「伊豆オリーブみらいプロジェクト」に取り組んでいます。
プロジェクト始動の背景としては、伊豆の基幹産業である観光業が低迷してきていることなどから、新たな魅力を作る作りたいと思案する中で、オリーブは健康を増進するものであり平和のシンボルでもあることなどの理由から注力することになりました。
栽培から商品化、そして販売までを一貫して行う、六次産業化に力を入れており、伊豆の特産物としてオリーブを定着させることを目標としています。
また、私達が栽培しているオリーブの圃場はその殆どが元はみかん栽培などに使われていましたが、栽培を辞めた後に放置されていた土地であり、そこを借りてオリーブを栽培することは地域の課題解決にも結びついています。
現在は27軒の伊豆でオリーブを育てて下さる共同研究農家さんたちとともに、情報共有しながらオリーブ栽培を進めています。
こちらのプロジェクトを通して、地域資源も生み出しつつ課題解決にもつなげていこうという動きを生み出していこうというご意向がよく伝わりました!
お話にあった共同研究農家さんたちとはどのように連携を取られているのですか?
私達が共同研究農家さんの圃場を訪れて、栽培方法に関する問題点を聞いて、剪定方法などの技術指導を行うということを年に4回行っています。
私達の栽培ノウハウは、伊豆よりも3年程早くオリーブ栽培を始めた株式会社九電工さんから得ており、技術を学びに行ったり伊豆に招へいしたりしています。
オリーブの害虫としてオリーブの幹を食べてしまう「オリーブアナアキゾウムシ」がいるのですが、そういった虫の対策についても情報共有を行っています。
オリーブは使える農薬が他の作物よりも制限されているので、病害虫対策は一苦労です。
先ほどお話した、九電工さんが栽培されてきたものと同様のイタリア産のオリーブを使用しています。
現在伊豆では4品種のイタリア産オリーブを栽培しています。
オリーブの木は1本だけでは受粉しにくいので、受粉木となる品種とそれぞれの品種の配置を考えながら圃場を作っていきます。
また私達の栽培するオリーブがイタリア産の品種である理由は、国産オリーブとして認知度が高い小豆島産のオリーブの品種がスペインやアメリカの品種を栽培しているのでそれと差別化するためです。
オリーブ素人の自分も少しずつオリーブへの学びを深められています。
オリーブオイルにするタイミングなどとても繊細な味の違いが生まれてくるのかな?と思うのですが、そちらはどのようにコントロールされているのでしょうか?
味は品種や収穫時期によっても変わってきます。
オリーブの収穫時期は9月末から10月半ばごろの約一ヶ月間の期間となります。
オリーブは早摘みですと緑色ですし、収穫時期を遅らせればそれだけ赤みや黒みが増して、オイルにしたときの風味が変わってきます。
一般的に早摘みは未成熟の野菜的な風味となるのに対して、遅摘みはまろやかで甘みのある風味になると言われています。
また収穫してから24時間以内に搾油するエキストラバージンオリーブオイルにもこだわっています。
またオリーブの発育には年間雨量が1,000mm程、年間日照時間が2,000時間以上必要と言われておりすが、伊豆は年間降水量が2,000mmと雨量が多めです。
オリーブは乾燥を好んで、土質はアルカリ性を好みます。
以上の条件を考慮しながら、日本人の味覚に合うオリーブオイルを作っています。
皆さんが一年を通して、手塩にかけてオリーブを育てていらっしゃることがとても良く伝わってくる情報量ですね!
また、ホームページ上にコンセプトとして“オリーブを中心にした、食、暮らし、芸術、で日本中、世界中の人々を「伊豆に行きたい」と思っていただくこと。”というテーマを掲げられていますが、具体的にはどのような取り組みが行われているのでしょうか?
オリーブは心臓疾患や高血圧などに良いとお医者さんも認めているほどの健康食品です。
それなので現在はオリーブオイル2種類を商品として展開しています。
その他にも商品としては漬物や化粧品などのアイテムの開発も検討しています。
ヨーロッパではオリーブオイルを日本人が醤油を使うのと同等に消費していると言われていまして、それに比べるとオリーブオイルの消費量が日本ではまだまだ少ないのが現状です。
親しみを持って消費してもらうという意味でもまだまだ取り組めることは多いと思います。
ありがとうございます。
前編では伊豆オリーブみらいプロジェクトのみなさんの取組みについてや、オリーブのことについて伺ってきました。
後編では、より具体的にプロジェクトメンバーの皆さんのことについても深堀りさせていただこうと思います!
ということで後編に続きます!