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滝沢健二さん
ティーゼットシーエス

東伊豆町民インタビューNO.1 滝沢健二さん

荒武
荒武
ハウスクリーニング事業を手掛ける会社の経営、東伊豆町商工会青年部部長、下田青年会議所副理事長、ライオンズクラブなど様々な肩書を体一つでこなす東伊豆のスーパーマン、滝沢健二さんに今回はお話を伺いました。
滝沢さんが今に至るまでのご経歴を教えていただけますでしょうか?
自動車整備の専門学校を出て、メカニックとして自動車板金屋さんに務めました。
そこから片瀬で中古自動車販売業の会社「滝沢カーサービス」を立ち上げました。
地元のお客さんに支えられながら安定した事業を続けていたのですが、2009年のリーマンショックが訪れたことで、売上が下がり、結婚もしようとしていたのでこちらの事業をやめることを決断しました。
自分の会社は自分のやりたいようにやるんだと、車いじりの技術一本でやっていたので数字関係だったり経営ノウハウを身に着けられず、克服したいなあという思いだけがありました。
その後はスーパーの魚屋さんを経験しました。
経営に関して厳しいスーパーだったので、利益が下がると怒られたり成績によっては減給もあるような世界でした。
魚屋として働いた後、今の仕事にも通じるダスキンに務めることになりました。
当時ダスキンでは、エアコン掃除に着手し始めたタイミングということで、メカニックとしてのこれまでの経験を活かすことができて、半年でエリアマネージャーになることができました。
そこで、自分の人生を変えた経営理念と出会いました。
それは「祈りの経営」という理念です。
今も空で言えるのですが、
“一日一日と今日こそは、あなたの人生私の人生が新しく生まれ変わるチャンスです。損と徳の道があるならば損の道を行くこと。”というワンフレーズがあります。
これは今の自分の生き方にもなっていると思っています。
独立してもこの理念にほとんど忠実に会社をやっています。
滝沢さん
滝沢さん
最初は朝礼でお経を唱えるなど、入る会社を間違えたかな?とも思ったのですが、お寺で修行を積んだ「鈴木清一」という方が創業者で、お給料のことを「おさがり」と言ったり、スタッフのことを「働きさん」と呼んだり随所に創業者の考え方が反映されているということを知りました。
中古車販売をしていたころはいかに楽をするかを考えていたのですが、この理念と出会ってからは損の道を行くように考えるようになりました。
損の道を行った先には楽しいことや、将来的に役立つことがあるということがわかったからです。
ダスキンに務めて3年後、33歳のときにハウスクリーニング事業を展開する会社「ティーゼットシーエス」を立ち上げました。
退職前から用意していた、作業用車やエアコン洗浄機、ダスキン時代に磨いた自分自身の掃除技術での開業です。
お客さんとのコネはありませんでしたが、これまでの仕事でお世話になった方たちへの営業などで事業を成り立たせていました。
おかげさまで今では従業員を雇えるほどに成長することができました。
滝沢さん
滝沢さん

クリーニング作業中の滝沢さん

荒武
荒武
滝沢さんが今の滝沢さんになった経緯がよく分かるご説明でした。
ありがとうございます。
「ティーゼットシーエス」という会社名が気になったのですが、どういった由来があるのでしょうか?
社名の由来は、20代のときにやっていた中古車販売会社の「滝沢カーサービス」(TAKIZAWA CAR SERVICE)という屋号から当時の知人が「TZCS」と呼んでくれていました。
当時からこの屋号を気に入っており、今の会社にカタカナ表記の「ティーゼットシーエス」を使おうと決めました。
将来構想としてはハウスクリーニング事業の他にも展開していきたいと考えているので、「クリーニング」などの用語を社名には使わずに、事業の拡張性ある企業名にしたいということもありました。
現在すでに、ハウスクリーニング業以外にも抗菌・除菌コーティング事業などにも取り組んでおり、ハウスクリーニングに関連する別の仕事を増やしていきたいと考えています。
滝沢さん
滝沢さん
荒武
荒武
事業拡張性がある社名という意図もあるのですね。滝沢さんには壮大な野望があることが伺えます!
その野望を支えるためには会社の経営についても考えられていることがあるかと思うので教えていただいてもよろしいでしょうか?
従業員を雇う前までは、ハウスクリーニングについて自分が一番できると考えていたので、自分自身がプレイヤーとなり現場に出て会社の評価を獲得してきました。
しかし、下田青年会議所などに所属するようになり、経営者がプレイヤーになってしまうことで逆に会社に制約が生まれてしまうことを学びました。
そこで、勇気を持って、自分に変わるプレイヤーとなってくれるスタッフを月給制で雇い、仕事を任せるようになりました。
最初は不安や戸惑うこともありましたが、現在では若手のスタッフを3人雇うまでの事業成績を残すことができています。
スタッフにも自信がついてきて、さらに成長してもらえる場として職場環境を良くしていきたいと思っています。
滝沢さん
滝沢さん

荒武
荒武
片瀬地区の魅力や特徴について教えて下さい。
自分の場合この土地の魅力は昔から馴染みのある仲間です。
片瀬地区の消防に19歳のときから所属していて23歳のときに「査閲(さえつ)大会」という火消しの速さや節度(的確さや迅速さ)を競う大会で優勝しました。
今の会社を開業した33歳のときに同じく査閲大会に出場し優勝しました。
参加した5人全員がMVPを獲得するという快挙もなしとげ、泣いて喜びました。
このような経験を同年代の仲間達で大人になってもできること自体貴重だしこれからも大切にしていきたいと思っています。
その他にも、うな瀬・燦(さん)・魚磯など片瀬地区には東伊豆町の北川地区の定置網から仕入れたお魚をいただくことができる飲食店があります。
土地が平らということで賃貸物件も多くあり、地区外から転入してくる人も多いように思います。
また片瀬地区のお祭りは静かで、個人の性格としてはもっと激しいやり方が好みですが、そういうところにも片瀬地区の人達の中の良さが出ている気がします。
なにしろ気が合う人たちが身近にいる居心地がいいところという印象ですね。
滝沢さん
滝沢さん

滝沢さんの事務所にはいつ出動できてもいいように消防団のユニフォームがかけられています。

荒武
荒武
滝沢さんが多くの商工組織に所属されていますが、どのような思いがあるのでしょうか?
滝沢さんが思う東伊豆町での町おこしについて伺えたらと思います。
現在は東伊豆町商工会青年部、下田青年会議所、ライオンズクラブに所属しています。
これら商工組織に所属することで、自分は他の経営者とつながることで、経営ノウハウを学び、自社の経営に活かしたり、地域に貢献していきたいと思っています。
商工会青年部には、開業当初から所属しており、青年部員として活動していたら気づくと役員や部長の任をいただいていました。
プレッシャーもありますが、地域の中で様々なつながりができ、雛フェスなどのイベント事業に取り組めて地域に貢献できている実感があります。
下田青年会議所では、スタッフ雇用の話もしましたが、大きな企業の経営者から経営について学んでいます。悔しい思いをすることもありますが、とても刺激を受けています。
次期理事長に立候補しており、伊豆半島のみならず、県や全国とさらに大きなつながりを作っていきたいと考えています。

地域おこしについては、イベントごとも仕事も誰かがやりたいと思って受け継いでくれる持続可能な動きを作っていきたいと取り組んでいます。
仕事に関してはやはり給料が少ないと生活が不安だし、余裕もなくなってしまう、更に仕事が選べないなどの悪い条件が重なってしまうと地域で暮らせなくなってしまうと思います。
それなので私は経営のプロとなり、地域の中で優良企業となること・会社を良くしていくことが地域おこしになると信じています!

滝沢さん
滝沢さん

ご用意いただいた所属している組織から支給される様々なネームプレートやバッジ

荒武
荒武
自分の会社を地域にとって優良な組織に経営していくこと、それがご自身・ご家族そしてそこで働くスタッフのみなさんから地域までが輝くための条件なんだと言うことを学ばせていただきました!
とても身にしみるお話でした。
滝沢さんありがとうございました!

( 完 )