
東伊豆町民インタビュー NO.77 熊谷宏之さん後編

さて、第一部では熊谷さんが地域おこし協力隊になられてから、細野高原に自生しているクロモジを活用した活動の展開を決意するまでの経緯をお話いただきました。
熊谷さんは細野高原活用の取り組みとしてクロモジに着目されたわけですが、今に至るまでどのような出来事がありましたか?
まず優先すべきは、自分が損してもいいから形にすることだと考え、自分でお金を出してすぐにクロモジ茶を作り始めました。
役場の人たちに試飲してもらったり、パッケージデザインに関しても意見をもらったりと、色々な人達の助けを借りて形になったのがこちらになります。


素晴らしいです!!
本当にスピーディに形にされたなという印象だったんですが、どれくらいの期間で商品化をされたんですか?
2〜3ヶ月で作っちゃいましたね。
事業者さんからクロモジ活用の相談が役場にあったのが夏頃で、そこから段取りをして振り返ったときに、失敗を怖がらないでみんなの力を借りてどんどん進めていくのが自分は向いているということがわかりました。


ご自身の強みと地域おこし協力隊のポジションがうまく合致したプロジェクトだったということがよくわかるお話ですね。
実際商品化する過程で苦労したことなどありましたか?
そうですね、今も改良を重ねているんですが、パッケージの切り口とお茶のパックが重なってしまってパックも破けてしまうことがあるというようなパッケージについての問題解決をしたり、開発当初はパックの中の原料をチップ状にして入れていたんですが、粉末状にしたほうが成分の抽出率がよく製造途中で改善しました。
ここでもやはり色々な方の意見をいただくことで、より良い商品になっていっているという実感があります。
実際の商品を介して人と意見交換する中で、粉末にできるならプロテインに入れて新商品が作れるかも?といった新しいアイデアが生まれてくるので、現在でも日々改良を重ねています。
販売に行った先で、購入されたお客さんとの会話でも同様のやり取りが生まれたりして、沢山の人からヒントを貰っていて、本当に周りの人とのつながりのおかげで僕の今があるなと思うんですよね。


素晴らしいですね。
熊谷さんの作られるクロモジ茶はどのようなものなのか、販売の機会はどのような場面になるのか、またお客さんのリアクションなど教えてもらえたらと思います。
クロモジ茶は枝と葉をブレンドして作られることが多いのですが、私は枝だけを原料としたクロモジ茶と葉だけを原料としたクロモジ茶を製造しています。
枝と葉、2種類の異なる香りを楽しめて、お茶だけでなくお菓子などにも入れてもらえるんじゃないかなと思います。

販売としては静岡の伊勢丹さんで売らせてもらったりとか、今年だと伊東市のめちゃくちゃ市に出させてもらったりとか。
この間は広尾に行ってきたんですけど、やっぱりいろんなところに赴いて、クロモジ茶を扱ってると、まず黒文字って何?というところからお客さんとのコミュニケーションが始まります。
そこで東伊豆町の細野高原が産地だという説明や伊豆産のクロモジの特徴や海外に香油として輸出されていた歴史をお伝えさせてもらうことで、東伊豆町の認知度向上に貢献できたらいいなと。
東伊豆町や細野高原をアピールする機会になれているんじゃないかなと考えています。


販売の機会が町のPRにもなっているというのは素晴らしいですね!!
こちらのクロモジプロジェクトは事業性も含めて、今後の熊谷さんの生業の一つになっていきそうですか?
今やっている活動はお金を儲けようとしてやっている取り組みではないということが第一前提にありまして、一番にこの活動を通して、関係者やお客さんに喜んでもらいたいという思いがあります。
地元の方に、新しい取り組みを面白いねと言ってもらったりとか、買ってくれた方が美味しかったと言ってくれたりとか、喜んでもらえるのが何より嬉しいんですよね。
そこは今後もずっと変わらないかな。
仕事ってそういうことなんだなって気づけたんです。
特に東伊豆町の地域おこし協力隊の仕組みって本当に素晴らしいなと思っていて、地域の困りごとに取り組みつつお給料をいただけるという仕事にやりがいを感じますよね。


まさに熊谷さんのような方にぴったりな制度だったわけですね!
そんな地域おこし協力隊はまり役の熊谷さんから見て、細野高原の課題感や活用に向けた可能性といった点をぜひ教えてもらいたいなと思うのですがいかがでしょうか?
これまでは細野高原の所有団体である稲取財産区と東伊豆町と東伊豆町観光協会がそれぞれで細野高原のこれからを考えてきました。
おそらくそこに私のような中立の立場の人間が入って橋渡しをすることで今まで見えていなかった新しい可能性が見え始めていて、利害関係がない人間をそこに置くという設定がうまかったんだなと感じています。
課題としては山焼きをして維持している細野高原の草原が、山焼きの担い手である地元の方が減っていることに寄って維持・管理が難しくなっていることがよく話に挙がってきます。

そんななか、この課題を含め活用に向けた動きを盛り上げていくために、細野高原の所有団体である稲取財産区と東伊豆町と東伊豆町観光協会が三位一体になって「細野高原みらい協議会」を立ち上げるということになりまして、その団体に可能性を感じています。
これまで細野高原は色々な方が関わっているため意見も多くて収集がつかない状態だったので、この協議会が立ち上がれば、例えば部会制にすることで意見を取りまとめやすくするなどの工夫ができそうです。
これまで所有者である財産区のみなさんに配慮して出せなかったようなアイデアもフラットに交換できる場ができるようになるとのことで、活用アイデアについても活発な議論が期待できます!


なるほど、新体制で細野高原を活用していく動きが進んでいること嬉しく思います!
熊谷さんは、その協議会でどのような立ち回りをされているのですか?
なんですかね、とりあえず形にしようと、形にすればなんとか動き出すからっていうことで。
今回、 準備会っていうのをこの間やったんですけど。
その準備会をとりあえず私と役場の太田さんで、町長を筆頭に、稲取地区の区長さんと、入谷振興会の会長さん、議員さん、あとは新聞社にも来てもらって、協議会のための準備会というのを行いました。この準備会をもって協議会を立ち上げることに、意義なしですねっていう形をこの間やったんです。それで第1回の協議会を4月の末に行いましょうっていうところまで来ました。そのための土台作り、スケジュールの調整とか、連絡係とかなんかをやってた感じですかね。


ありがとうございます!熊谷さんの人柄にマッチした立ち回りだったんですね。
まさに地域おこし協力隊という制度の可能性を感じさせていただくインタビューとなりました!
熊谷さん、この度はインタビューにお答えくださりありがとうございました!
今後のますますのご活躍楽しみにしております!!