INTERVIEW

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 東伊豆町民インタビュー NO.71 村木篤さん 前編

住む
村木篤さん
吟酒むらため

東伊豆町民インタビュー NO.71 村木篤さん 前編

荒武
荒武

本日は吟酒むらための村木さんにインタビューにお答えいただきます!

この度はどうぞよろしくお願いいたします。

村木さんには、むらためさんのお仕事についてや、店のこだわり、東伊豆町に対しての想いを伺っていけたらと思っております!

まず最初の質問ですが、吟酒むらためさんってどんなお店なんでしょうか?

よろしくお願いします。

むらためは創業が大正10年の酒屋です。

私の曽祖父が「村木為吉」という名前だったことから「むらため」と屋号で呼ばれるようになったようです。

江戸時代は作り豆腐屋さんだったそうで、「むらため」とは別に「とーふや」という屋号で呼ばれていたこともありました。

酒屋は祖父がはじめて、私が3代目になります。

 

現在は取り扱っている日本酒の9割が静岡県内の地酒という点が売りのお店となっています。

店舗販売の他にも近隣の旅館や飲食店に飲料を卸す業務も行っています。

村木さん
村木さん

荒武
荒武

むらためさんは歴史のあるお店なんですね!

色々と気になるワードが出てきたところですが、お次は村木さんの生い立ちをお教えいただいてもよろしいでしょうか?

長男が次ぐのが当たり前というのもあったのかもしれないけど小学校のころから酒屋を継ぐんだろうなと考えていました。

いずれ家業を継ぐことを前提に、高校からは東伊豆の外の学校に進学します。

酒屋としてやれると思って帰ってきた時期は、お酒の取り扱いが自由化してスーパーなどいろいろな場所で販売できるようになっている時代でした。

当時の売上的には心配することはなかったんだけど、これからお店を続けるためには特色がないとなという気持ちを持ち始めていた頃、稲取の蕎麦屋の誇宇耶(こうや)さんがお店に来てくれて地酒の魅力について教えてくれました。

誇宇耶さんは私が帰ってくる前からお店で日本酒を取り扱っており、うちの店に光を照らしてくれた地酒の先輩なんです。

村木さん
村木さん
荒武
荒武

誇宇耶さんとむらためさんにそのようなつながりがあったとは意外でした!

地元でのご縁からむらためさんは地酒の取り扱いを始めることになったんですね!

むらためさんが日本酒のお取り扱いを始められたエピソードにとても興味があります!

当店は「杉錦」の蔵元である、杉井酒造さんと初めての日本酒販売の契約を結びました。

 

杉錦は誇宇耶さんで特別本醸造を飲ませていただき、まだまだ日本酒のことを知らなかった私でも、香りもよく、価格、品質ともによく、以前思っていた日本酒のイメージを変えさせてくれました。

 

誇宇耶さんの紹介もあって、蔵元へ出向きお取引の意向を伝え、品質管理は絶対条件なので蔵元も販売先の冷蔵庫などお酒の管理体制をチェックしに来てもらい、販売までスムーズに契約手続きを進めることができました。

酒屋としては、蔵元さんの大切な商品を取り扱わせてもらうわけなので、作り手の思いを消費者へ伝えてないといけない、目の見えるつながりを大切に、むらためさんだから取り扱いしてもらおうという関係性を作ってきました。

効率よりも品質を重視していくという思いで取り扱いを続けています!

 

取り扱う銘柄は急に増やせばいいものでもないので少しずつ少しずつ増やしてきました。

村木さん
村木さん

荒武
荒武

村木さんの地酒への愛やお仕事に対しての誠実さが伝わってくるお話を伺うことができました!

ぜひその他にも、お店で取り扱う日本酒の銘柄を増やしていく際に印象的だった酒蔵さんとのエピソードがあったら伺わせていただきたいです!

銘柄一つ一つに取り扱うまでのストーリーがあるので、それぞれ思い入れが深いです。

喜久酔はオファーから約3年、初亀はオファーから約5年を要し、お取引を始めるに至りました。

人気どころの酒造は既存の取り扱い酒屋で手一杯、オファーしてもすぐに始められるわけではなく、契約が終わったり廃業してしまう酒屋さんが出てやっと取引に持ち込める蔵元もありました。

酒蔵も年間製造量が決まっているし、製造量を増やそうとしても品質低下に繋がりかねないためなかなか増やせないという状況があるためこのように順番待ちする場合があるんですよね。

 

そういう点で日本酒は取引する中でどうしても酒蔵と販売店の上下関係が生まれやすい独特の業界なんですが、蔵元さんとの対等な立場、ビジネスパートナーとしての関係性を築いていくことを意識しています。

 

白隠正宗という日本酒は、現在の社長さんが家を継ぎ始めた若かったころ取り扱ってくださいと店舗まで営業に来てくれたことがありました。

当時は当店も銘柄を増やすつもりがなく、取引には繋がりませんでした。

その後銘柄を増やす準備もでき、約2年後にこちらから取り扱わせてもらうように蔵を訪ねました。

 

静岡に限らず全国を通してですが、生き残っている酒蔵はどこも設備投資等、品質管理も徹底的に行うなど努力をしていますね。

村木さん
村木さん
荒武
荒武

酒屋さんのお仕事を知る機会が今までなかったので、村木さんのお話を通してその奥深さの一部分を学ばせてもらっています。

酒蔵と酒屋さんの関係性も突き詰めると人と人のつながりによって出来上がってくるものでもありそうだなあと感じました。

インタビューの前半はむらためさんの酒屋さんとしてのお仕事の話を中心に伺ってきました!

後半はさらにお店のことについて深堀りさせていただこうと思います!