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東伊豆町民インタビューNO.48 福田将人さん

荒武
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今日は稲取地区に移住してこられた、福田将人さんにインタビュー。

広告マンからの転職を機に東伊豆へ移住してきた福田さん。

どのような東伊豆ライフを送られているのかをお尋ねしていこうと思います。

福田さん本日はよろしくお願いいたします。

まずは福田さんがどんな生い立ちの方なのかお教えいただけますでしょうか?

よろしくお願いします。

僕は大阪府出身で、小学生のときに一年間アメリカに住んでいました。

日本帰国後に参加した英語のサマースクールをきっかけに、開催場所であったインターナショナルスクールの雰囲気に惚れて入学を決めました。

 

自分のコアはそこで形作られたと思っていて、特に「5リスペクト」という学校の理念に影響を受けました。

「5リスペクト」は、自分を大切にすること、他の人を大切にすること、学習を大切にすること、環境を大切にすること、リーダーシップを大切にすることを大切にしようという考え方です。

これが自分自身の人格形成に役立っていたと思っていて、高校時代に素晴らしいと思える友人たちは、多様な価値観をリスペクトできるので、押し付けても来ないし、優しさを持っていました。

海外出身者も多く、自分たち自身がマルチカルチャーだったからこそ、様々な壁を乗り越えているので、違いを許容したり、たくさん失敗もしてきているから、リスペクトし合えていたんだと思います。

 

このような経験を重ねながら、色々な文化・価値観が世界にはあるんだなということを学んできました。

そういう異文化の違いに対して認め合える心を養うことがとても大事だなと思っています。

福田さん
福田さん
荒武
荒武
お話を聞いていて、価値観を認め合える関係性って福田さんはじめ東伊豆町に移住してきてくれている皆さんの雰囲気と似ている気がするのですが、このコミュニティは福田さんのスクール時代と共通している雰囲気はあったりするのでしょうか?

そうですね、似ている気がしますね。

今移住している同年代の人たちはこの町で理想の暮らしを探求したり、よりよく生きていきたいという感性の人たちが移住したり通ったりしてくれています。

 

もちろん、生活が重なる場所だと少し摩擦も起きることもあります。例えばシェアオフィスで一緒に働いていると、それぞれの使い方の違いで議論が必要な瞬間があったり。

 

ただ、共通意識として「理想の暮らし」がお互いに見えているからこそ、違いはあれどもそれを認め合って共存できているんだと思います。

福田さん
福田さん

荒武
荒武

理想の暮らしの追求という移住の動機において共感し合えているから、それぞれの違いも楽しめているんでしょうね!

ちなみに福田さんの東伊豆での理想の暮らし方ってどんなものなのでしょう?

この町のいいところは自分が関わる余白が感じられるところだと思っています。

場所的にも、プロジェクト的にも「みんなでどう楽しめるか?」を考える余地があるというか。

都会に住んでいると、楽しいことを探そうとするとつい「消費」的な受け身なコンテンツが手に入ってしまいます。

でも、この町にはそういった消費の機会より、自分が楽しいことを作る側になれる、考えたくなる素材と一緒にできそうな仲間に溢れていて、能動性と創造性が掻き立てられるのだと思います。

 

例えばその余白を使って僕がやってみたいことは、稲取ならではの服作り。

伊豆の強風に耐え、着る人が増えるほど町をカラフルできるような色彩のウィンドブレーカーレインコートや、細野高原の山焼き時の防火服になり、減りつつある山焼きの担い手の「火の意志」を背負えるユニフォームとしての半纏/ジャケットなどなど…

町のことを知れば知るほど、その余白からアイディアを思いつけるのが楽しいです。

 

まだまだ遊び方を開発できそうなので、既にあるものに乗っかるというよりは、自分が面白いと思えることを新たに生み出して楽しんでいきたいですね。

 

東伊豆は魅力的な素材が揃っているので、ブリコラージュしやすい町なんだと思います。

まだどうなるかわからないのですが、なんかかわいいな〜と思って町の看板のフォント「伊豆フォント」集めをしてるんです。

お気に入りの看板は、シントコ理容室の看板と、ビラ三笑の看板ですね。

そこからなにか面白いことができそうだな〜とアイデアを温めています。

町づくりの視点で、大きな構想を描ける仲間がいるので、自分は遊び心を持ってみんなで楽しく面白いことをやっていきたいなと、そんな心境で暮らしています。

 

だからこそ僕自身はもっと「楽しさ」という文脈で町の人と関わっていきたいと思っています。

人と何かをやる上で、「なんか楽しそう」って一番大事だと思っていて。余白の土台となる仕組みや流れを生み出せる荒武さんや高浜くんがいるので、「こんな企画やメッセージがあったらさらに面白くなるんじゃない!?」という、周りを巻き込めるアイデアへ昇華させるところに、訓練してきた広告の力が活かせると思うんですよね。

培ってきたスキルを、自分も楽しみながら相手も喜んでくれる余白があることがこの町の魅力だなと思うし、自分の力を期待してくれている人がいることはとても嬉しいことだと思っています。

福田さん
福田さん

荒武
荒武

自分も楽しめることをしていきたいっていう考え方がとても素敵だと思うし、そういう「楽しさ」に人を引きつける魅力があると思うので、ぜひこれからも福田さんの力をお借りながら楽しいことをしていきたいです!

ちなみに福田さんが広告関係の仕事に関心を持たれたのはどうしてですか?

キッチハイクという、食関連のベンチャー企業でのインターンの経験が広告業界に関心を持ったきっかけでした。

 

祖父が農家だったこともあり、大学では食や農業をテーマに勉強をしていました。

しかし、生産者目線での農業の学びにはしっくり来るものがなく、農業関連の学生団体にも入っていたんですが、農業系の学生がすでに多く活躍しており、自分の領域は一次産業ではなくてもいいかもなという考えになりました。

 

自宅に友達を呼んでみんなで食事するのが大好きで、もしかしたら生産の現場より、人々が食を囲むような現場に関わりたいのかも…と漠然と考えていたときに、キッチハイクの取り組みを知りました。

今は事業内容が少し違うのですが、当時は呼びかけた人の家に集まってみんなで食事を囲むというプラットフォームを運用している会社でした。

サービスも働いている人たちにも強烈に惹かれ、大学を休学してインターンとしてプチ就職することになりました。

入ってみると想像を超える素敵な環境で。幅広い業務に関わらせてもらいました。

 

特にプロモーション領域の仕事をしているうちに、世の中にサービスを届けるためのコミュニケーションとは?どう豊かにできるか?ということがどんどん気になるようになりました。

 

振り返ってみると、大学ではダンスの舞台公演づくりに打ち込み、企画を通じて「人に作品を届ける」ということに熱中していた毎日。

その背景と当時の仕事の興味領域がつながり、コミュニケーションとアイディアを生業とする広告業界を目指すことになりました。

そしてご縁があった広告代理店に就職し、企画やコミュニケーション作りの経験を積むことに。その後、いずれ戻りたいと思っていたキッチハイクに戻ってきました(笑)。現在は会社のコミュニケーション領域を担当するクリエイティブプランナーとして働いています。

福田さん
福田さん

荒武
荒武

人を楽しませたり、作品を届けるための努力を積み重ねてこられた様子が言葉の端々から伝わってきて、福田さんがエンターテイナー気質なことが伺えるストーリーでした!

東伊豆には複数回通ってくれていたと思いますが、何度も通うに従って募っていった町への期待感などあったのでしょうか?

初めて東伊豆にきたときも、いい町だな〜と思っていました。

東京に暮らしていましたが、そこには人はいても自分一人だなという孤独感が拭えませんでした。

こんな孤独に都会に住むんだったら、自分の暮らしたい人と暮らしたいなと思ったし、東伊豆だったら外からの人が訪ねてくれるので、東京にいるよりも面白い人と出会える確率が高いと思って移り住むことにしました。

 

移り住んでみるとサイズ感として丁度いいなという感覚があります。個人的に、コミュニティは顔見知りになれるくらいのサイズ感が好きで。中高時代は、1クラス20人が3~4クラスくらいの規模でした。

それくらいの人数だと、中学1年生から高校3年生までだいたい顔がわかる人数感で、誰とすれ違っても「やっほー!」と挨拶できるコミュニケーションが当たり前に存在していました。

それが、数千人規模の大学に入ったときに大きな違いを味わいました。

誰も知らないし挨拶もしない、すれ違う人たちがよそよそしいことが寂しかったんですよね。僕が知っている学び舎ではないとショッキングだった記憶は今でも鮮明です。

自分が暮らしたい町も、過ごしやすいコミュニティサイズがあるんだろうなと感じています。

福田さん
福田さん
荒武
荒武
福田さんが選んでこの町に住んでいるのは、自己実現のためということになるんでしょうか?

僕の場合、自己実現というよりは「共に暮らす」という感覚を失いたくないからだと思っています。

もちろん、この町でいろいろやってみたい!と思うことはたくさんありますが、地域資産をダシにして何かを実現したいという感覚は全くありません。

何かを目指すというより、人と関わり、日々の暮らしを楽しみながらよりよい自分でいられる感覚を持っていたいです。

その上で町にすこしでも何か貢献できたらな…という気持ちです。

理想の暮らしを実現したいというよりは、探求していきたいという感覚に近いのかもしれないですね。

 

例えば港町ぐらしとテレワークは成立するのか?というテーマは自分が実験台1号として率先して考えたいなと思っていることです。

ただ、日々仕事に追われてしまうと外に出れないことも多く(笑)。もっと町に出て、町の時間を楽しめるといいなと思っています。

福田さん
福田さん
荒武
荒武

福田さんだったら理想の暮らしを実験しながら深めていく課程がすごく楽しそうな時間になる予感がします!ぜひ僕も仲間に入れてくださいね!

最後に福田さんのこれから楽しみなこと、現状不安なことなどありましたら教えていただきたいです!

そうですね…町にATMがほしいなあ…(笑)

 

それと地元の人とコミュニケーションを取るきっかけを作っていきたいですね。

待っていても動くことではないと思うので、自分たちが関わるきっかけを作れるといいなと思っていて、意識的に地元の商店に足を運んでそのお店の人と仲良くなったり、服作りなどの活動を始動することで、地域の人との接点が生じる道は開けるかもしれないと思っています!

福田さん
福田さん
荒武
荒武

福田さんの楽しい企てに僕も乗っからせてもらって一緒に有意義な時間をこの土地で送っていきたいです!!

福田さん本日はインタビューにお答えいただきありがとうございました!