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住む
星野海輝也さん
チャレンジショップ「六也」店主

東伊豆町民インタビューNO.45 星野海輝也さん

荒武
荒武

本日は静岡大学に在学しながら東伊豆町に暮らしている、星野海輝也(ほしのみきや)さんにインタビュー。

星野さんは2018年から2年半、授業の一環で東伊豆町にフィールドワークで訪れてくれていました。

そんな星野さんは今、住まいを東伊豆町に移して飲食店のチャレンジショップに取り組まれています。

本日はそんな星野さんの東伊豆町でチャレンジショップに取り組むまでの軌跡を追えたらいいなと思っています!

星野さん本日はよろしくお願いいたします。

早速ですが、星野さんと東伊豆とのご縁を改めて教えてください。

東伊豆町へは大学の授業で訪れたのが最初でした。

自分自身はお隣の伊東市出身ですが、南に下ることはなかったので未開の地という感覚で、フィールドワーク先として東伊豆を選んだ一番の理由は、先輩たちの取り組んでいる姿が楽しそうだったからです。

また、故郷の伊東に近接している土地で学び、なにか持ち帰れたらいいなという意向もありました。

 

東伊豆町を訪れてみて、場所として感じる魅力は伊東と大差はありませんでした。

しかし通うようになってみると土地の魅力よりも、受け入れてくれる人(商工会、町長)の暖かさに心が惹かれるものがあることに気が付き、他のフィールドに比べて、自分たちは人にめぐまれているんだなと感じるようになりました。

星野さん
星野さん

FW中は、自分たちはよそ者として訪れていて、一過性の存在として受け入れてもらっていた感覚がありました。

商工会青年部のみなさんと荒武さんが取り組んだ「雛フェス」で1週間町に住み込みでお手伝いさせてもらった中で強く感じたのがこの土地に暮らす人たちの「寛容さ」です。

おそらく長年地域の人達が大学生を受け入れ続けている結果として、この寛容さは培われている気がしました。

最近は知り合いの農家さんのところにも新たな大学が関わろうとしているという話を聞いていてよそ者が関わることに前向きな文化が出来ているんだなと思います。

星野さん
星野さん
荒武
荒武

大学生からの東伊豆との関わりの中で町のことを自分なりにちゃんと分析しているなんて、流石ですねぇ。

そんな星野さんですが、どのような経緯で東伊豆に住むことになったのでしょうか?

海外へのインターンシップを志望していて、確定する前に退路を断つという意味で大学には休学の申請をし、住んでいたアパートの解約手続きをしました。

後日、見込んでいたインターンシップにコロナで行けなくなってしまい、甘えが出てしまうため伊東の実家に帰るつもりもなく、静岡市内で暮らすだけだと友達と遊んでしまいそうなので、選択肢として挙がってきたのが東伊豆でつながりを持っていた荒武さんだったので、荒武さんを頼って東伊豆に暮らすことを決めました。

星野さん
星野さん
荒武
荒武
カフェ&キッチン「六也」を始めるなどチャレンジングな活躍を見せている星野さんですが、東伊豆に暮らす中でどのような変化がご自身の中にあったのでしょうか?

いざ住んでみると、アパートの大家さんや同じく移住した先輩、お手伝いを受け入れてくれた農家さんたちから良くしていただく中で自分自身も町の人になれている感覚を得ると同時に、町に定期的にやってくる外の人たちとも交流を持つようになって、町内・町外両方の方との交流によってそれぞれの視点を持てるようになりました。

両方の視点を持てたからこそ、今自分は「六也」をやれているんだと思います。

 

地域外から定期的にやってくる大人たちと交流して、改めて食事の楽しさや自分自身で料理することを有意義に感じ、下田で飲食店営業の参考にしたいと思ったお店に出会えたのもその人達に紹介してもらったことがきっかけでした。

 

地域側には人生相談を聞いてくれて、自分の精神的な支えになってくれた先輩移住者がいまして、その人がお手伝いを探している農家さんなど自分に必要な人のつながりを紹介してくれました。

 

まとめると暮らすという点では地域内にコミュニティがあったから自分が必要としている人と繋がれたり居場所が生まれたし、カフェをやろうと決められたのは外の人たちからの刺激を受けていたから「六也」という企画が生まれました。

星野さん
星野さん

学生時代に関わっていた頃よりも、外から地域に関わろうとしている社会人の割合が多くなった気がしていて、地域の人と学生の間での話し合いの場では、こんなことが出来たらいいよねというアイデアはたくさん出るけど実現に結びつきにくかった気がしていますが、知識や経験が多い社会人が関わることで実現する確率が高まっているのを感じています。

 

今思うと他の地域に住んでいたら今のようにはなっていなかったんじゃないかと思います。

休学した頃を振り返ってみたら、随分とギリギリの道を歩いてきたなと。。。

ただ、簡単に他の人には真似できないことを経験できているという自信は持てるようになりましたし、人を頼る力が身につきました(笑)

星野さん
星野さん
荒武
荒武

自分の人生を生きているという感覚を星野くんは持っているんだろうなとお話を聞いて感じました。

周りはちょっとヒヤヒヤしてるかもしれないけれど、今の星野くんを見ていると輝いているので、きっとこの選択は正しかったのでしょうね!

星野くんは、他にも伊豆食べる通信というメディアのお手伝いされていると思うんですが、そちらにはどのような立場で関わっているんですか?

静岡県のビジネスプランコンテストがあって、地物を使った飲食店のプランを作った経緯で、実現につなげるために食べる通信にアプローチしていきました。

今は、取材同行と記事の一部を執筆させてもらっています。

今度は扱う食材の提案をしてみたいなと自分のなかで思っています。

星野さん
星野さん
荒武
荒武
伊豆での経験が「六也」につながってきているということがよくわかりましたが、どのようなことを見据えてこのチャレンジショップに取り組んでいるのでしょうか?
東伊豆に住んでから、伊豆食べる通信に関わることでストーリーを伝えることを学び、農家さんのお手伝いをすることで生産者さんのかっこよさを知ることができ、尊敬する飲食店で料理の手伝いをすることで作ることの喜びを覚え、美味しい料理を食べに行くことで料理そのものを楽しむことが出来ました。

そんな経験の中から自分は料理を人に提供することが好きだなということがわかってきて、それが人生のテーマになりつつあります。

思いとしては、その地域で取れた食材を地元の人に知ってもらい、まだまだ知らない世界・食材があるということを広めたいです。

生産者さんの中には地元には卸していないという事例もあるので、地元から多様な食材が生産→出荷されていることを若い世代に知ってもらいたくて、ゆくゆくは共感してくださる生産者さんとそういったことに取り組んでいきたいと考えています。

星野さん
星野さん

ただ美味しいものを食べるというのもいいのですが、ストーリーも楽しめる場で食事をしていたいという自分の願いから、情報を付加価値として食事をしてもらうことで、美味しいだけじゃない料理の提供方法があるのではないかという仮説に至っています。

若いうちから今よりも少しでも食事が充実したものになったら、人生がさらに楽しくなるんじゃないかな。

なんとかしなきゃいけないといった課題ベースのアプローチではなく、好きだから後世に残していこうとかみんなで楽しめる食材なんだからこれからも食べ続けようという感覚で物事に取り組んでいく方が自分には合っていると思って、六也をやっています。

 

一緒にやっている石田くんも充実感を得ながらSNSを運用して情報発信をしてくれていて、自分だけでは出来なかった部分を担ってカフェを盛り上げてくれています。

 

そのほかにも本当に色々な人からなぜそんなによくしてくれるの!?というくらい助けてもらって営業しています。

パティシエ経験のある方から卓上ミキサーを貸してもらえたり、イチゴ農家さんからも貴重ないちごをたくさん仕入れさせてもらえて、たくさんの人の支えのもとに今の六也があります。

 

とてもいい流れがきていますが、今までに出会ったことがない出来事もたくさん経験して流れの激しさに圧倒されるときもありますが、なんとか乗り越えてきています。

星野さん
星野さん
荒武
荒武

主体的に動くことで得られる新しい発見や出会いが星野さん自身の成長につながっているんだろうなとお話を伺っていて思いました。

お話いただいた「いい流れ」を星野さんはどのように活かしていけそうですか?

自分が受けた恩は、助けてくれた人に対して返したいと思っていると同時に、自分たちの挑戦がこれから挑戦する人たちの足がけになったらいいなとも思っています。

今は料理をして人に喜んでもらっているのかなと思うんですけど、なにか自分が自信を持って人にしてあげられる存在にならないとな、もらってばっかりではいけないなと、そういったものをこの先準備していく必要がありそうです。

 

自分は地域とか場所ではなく「人」を好きになってこの場所にいて、色んな人と出会いその人達の支えがあって今があると思っているので、これから新しく来るであろう後輩とか、出会う人に対して、胸を晴れるものを持つというのが流れをさらに大きくしていくことにつながってくるのではないかなと思います。

 

学生ボランティアだからこのクオリティでいいでしょとか、地域の寛容さを搾取するという感覚は好きじゃないので、六也はそこを乗り越えるための挑戦なんです。

星野さん
星野さん
荒武
荒武

大学1年生のころから星野さんのことは知っているけど、まさか東伊豆に暮らしながらこんなお話ができる日がくるなんて思っていなかったです。

挑戦の中から星野くんの成長が伺えて感動しています…

最後に、これからの星野さんの将来について思い描いていることを教えてもらいたいです。

伊豆という軸は頭の片隅に置きつつ、20代〜30代は伊豆で何かをするというのはやらないつもりです。

なぜかというと、生まれてずっと伊豆にいるので外に出て、外部環境に身をおいて、伊豆との関係は保ちながら、外で吸収したものを年を取ってから還元していきたいなと思っているからです。

「六也」は自分の夢のための練習でやっているという感覚もあります。

飲食店というのは自分の祖父母がやっていたということで憧れがあり、今はそういう場を作ることに関心を持っていて、情報発信、空間構築、人とのコミュニケーション能力を身につけたら、伊豆に戻ってきて理想の飲食店をやりたいなと思っています。

今は場作りに関心があるので、都市開発や空間を作るという仕事につけたらいいなと思っていて、そこで広報や発信のノウハウも身につけていきたいです。

 

六也をやっていて面白いのが、予想外の展開がどんどん起こるところで、最近ではウェブデザインを学んでいる友人から突然ウェブサイトを作らせてもらえないかという相談を受けたりもしました。

行動することで開けてくる未来があることを日々実感しつつ、自分たちのチャレンジショップというアクションで少なからず人が訪れてくれているので、地域に還元出来ていることがあるのではないかなと思っています!

星野さん
星野さん
荒武
荒武

この土地で少しずつ成功体験を積み重ねることが星野さんの自信にもつながっているし、それは地域にとってもインパクトがあることだと思いました。

現に私自身も星野さんの挑戦に刺激を受けて、より一層精進を積み重ねないとならないなとなっていますし、きっと他の周りの人たちも影響を受けていると思います。

星野さんたちの今後のますますの発展を願って、六也に通います!

本日はありがとうございました!!