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高瀬真由さん
地域おこし協力隊

東伊豆町民インタビューNO.4 高瀬真由さん

今回は、4代目ミス雛のつるし飾りを経て東伊豆町地域おこし協力隊として東伊豆町へ移住し、観光促進と子どもプロデュースの2つの領域に取り組む高瀬真由さんをインタビューいたします!

荒武
荒武
高瀬さんこんにちは!
東伊豆町へ移住して東伊豆町地域おこし協力隊となるまでの経緯を詳しく教えて下さい。
最初の東伊豆との関わりは、親の別荘があって、幼い頃から東伊豆に遊びに来ていました。つるし雛のことはその時初めて 知りました。
大学生のときも伊豆が好きだったり海が好きなこともあって、東伊豆には学生時代一人旅で来ていて、本業が音楽家であることからよくオーディションサイトをチェックしていました。
ジャンルは音楽のオーディションに絞っていたんですが、なぜかミス雛のつるし飾りの募集を偶然見つけてよく行く土地好きな街なのでPRしたく応募しました。
ミスに選んでいただいて、これまで一切観光事業に携わったことがない、自分は観光客側でイベント運営側と実際に関わることになって、興味がわきました。
自分も観光客の誘致に携わりたいという気持ちが強くなって東伊豆町に移住してきました。
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
たまたまミス雛のつるし飾りのオーディションを見つけて受けるというひょんなきっかけから移住するまで来たんですね。
はい、運命だな。東伊豆に来るべくして来たんだなと思いました(笑)
NHKのうたのおねえさんになりたくて、大学4年生のときにオーディションを受けたんですが、最終で落ちてしまったんですよ。
そのときに、うたのおねえさんになることしか考えていなかったので、すごい落ち込んでしまいました。
普通の仕事につこうかとも思っていたんですが、最後の足掻きと思い、あまり興味のないジャンルのオーディションを受けてみたりと、がむしゃらになっていた時、ミス雛のつるし飾りのオーディションと出会いました。
高瀬さん
高瀬さん


みごと4代目ミス雛のつるし飾りに選出された時の写真

荒武
荒武
今のお仕事の内容を教えて下さい!

一つが観光促進。二つ目が、私がうたのおねえさんであること、リトミック(※)音楽講師であることから、東伊豆の子どもたちにも情操教育を根付かせていけたらということで、子どもたちに音楽を楽しんでもらうイベントなどを主な活動としています。
田舎では生演奏の機会も少ないと思うので、コンサート活動にも力を入れていきたいと考えています。
高瀬さん
高瀬さん

(※)リトミックとは…音楽を手段として、基本的な音楽能力だけでなく一般教養や子どもたちが個々に持つ「潜在的な基礎能力」の発達を促す教育方法のこと。

音楽を学んできた経験を活かした高瀬さんの活動は多岐にわたる

荒武
荒武
計画して提案をした活動だと思うのですが、実際にやってみたときのギャップや考えの深まったことなどありますか?
東京にいるときに様々な子供にリトミックを教えてきました。東京はどこの保育園も子供が多く、先生が少ないという課題を抱えていて、先生に余裕がなかったり、癇癪(かんしゃく)を起こしてしまう子供も多く見られました。
それと比べて、東伊豆の子どもと先生には、人前では出さない苦労もおありかとは思いますが、表情がとても穏やかで心の余裕を感じます。人口が少ないからこその教育が、私には魅力的に感じられました。
高瀬さん
高瀬さん
コンサートなど音楽の面では、東伊豆では生演奏を聞くような機会が少なく、音楽のノリ方を知らない子供がいるということにギャップを感じました。
どストレートに音楽にノッてくるのかなと思いきや、大きな音に驚いてしまう子も何人か見られて、自分の中で想定していなかった反応だったので面白かったです。
静かな生活環境で大自然の音と共に過ごしている影響を感じました。
例えば東京だとあらゆるところで音楽が流れているんですよね。駅とかまちなかも、生活環境が違うと音楽の受け入れ方や乗り方にも違いが出てくるのかなと、私にとっても新たな発見でした。
高瀬さん
高瀬さん
東伊豆でコンサートを開いたときは、小さい男の子が「もうちょっと音小さくできる?」と声をかけてくれてとても可愛かったです。大きい音には敏感だけど、恥ずかしがらずに前に出て話しかけてくれる様子は、東伊豆っ子ならではと思い、とても愛おしく感じました。
東京と東伊豆、両方の環境を知って私は東伊豆で子供を育てたいなと思っています。
移住する前からそう思っていましたが、移住してからもその気持は変わっていません。
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
東伊豆と首都圏のお子さんを見ている高瀬さんならではの視点ですね!
そんな高瀬さんの理想の子育てってどんなものなのでしょう?
海・山・川で遊ぶというのは小さいうちから経験させたいですね。
それを当たり前の生活にしてあげたい。
私自身もそれぞれの遊び方を学ばないといけない。
自分も経験していないから、それこそ旅行で体験する特別なものだったので、子供とはまっさらな状態から遊び方を見つけながら楽しんでいきたいなと思っています。
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
子育てに関して東伊豆は首都圏にはない自然という圧倒的な教材があるなあと自分も思います!
伊豆で挑戦したいフィールド・遊びはありますか?
サーフィンをしてみたいです。
地元の人も観光客の人もやっていて、よほど魅力的なんだろうと思っています!
畑もしてみたかったのですが、今は奈良本で活動しているほっくり隊でできています!
あとは、山にカブトムシを取りに行きたいです!!
高瀬さん
高瀬さん


ほっくり隊での活動写真

荒武
荒武
伊豆の魅力を余すことなくまるごと楽しみたいですよね!
観光促進のお仕事の方ではどのような取り組みを展開されているのですか?
観光促進の方は主に情報発信に取り組んでいます。
インスタグラム、ユーチューブなどSNSを中心に活動しています。
東伊豆町って、いろいろな体験イベントがあるにも関わらず、あまりその情報がまとまっていないように感じているので、今年は自分で体験して、まとまった情報として伝えられる媒体を作りたいと思っています!
体験イベントの情報は、地元の人と仲良くなって、初めて知るものもありました。
以前観光客として訪れた際は、町に6個の観光協会があって、どこの情報を見たらいいのか迷ってしまうこともしばしば。
ミスになるときもどんな活動をしてきたのか調べてみましたが、あまり情報が出てこなくてやっと見つけたのが初代の情報でした。
私が就任したのは4代目だったので、2.3代目はどんなことをしていたんだ!?という感想でした(笑)
そこを自分が発信することで補うことができるんじゃないかって思ったところもあって、インスタグラムなど頑張っています。
SNSでの発信をする中で、伊豆好きな人のなかには伊豆半島全体を好きな人が多い印象を持ちました。
そういった人たちは伊豆のどこかしらの情報をキャッチして目的地を決めるということが最近わかってきて、
情報発信をしてお客さんに来てもらうことは、きちんとした発信方法を伴えば、東伊豆への誘致の可能性もどんどん高くなるとわかりました。最近ではインスタグラムを使って検索する人も多く、「#伊豆」という検索ワードにどれだけ東伊豆の魅力的な写真が入れるかが勝負だと思っています。
高瀬さん
高瀬さん

高瀬さんの地域おこし協力隊としてのInstagramアカウントはこちら

東伊豆町の情報を積極に発信している高瀬さんのInstagram投稿

荒武
荒武
高瀬さんが投稿した情報を見て、東伊豆に来た人もいたのではないですか?
はい、いましたね。去年、私が運用している幼児向けの手遊びを教えるアカウントで、6,000人のフォロワーのうち5組も東伊豆に遊びに来てくれました。
私と直接会ったこともない投稿の中でしか知らない人たちが、実際に東伊豆にきてくれてとても嬉しかったです。
お客さんからは、私のコンサート付き旅行プランがほしいとも言ってもらえます。そのお声を聞いて、稲取の雛のつるし飾りまつり中の3月3日に開かれている「雛の茶会」などでコンサートを開かせてもらったらそれを目的に東伊豆へ来てくれる人もいるのかな〜と夢見ています!
定期的なSNSでの情報発信がこのように観光に結びついて、取り組んできたことがつながって自分の中で道が見えてきました!
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
東伊豆へ何をしに来たんですか?と聞いたときにまゆちゃんのコンサートに来ました!って言ってもらえたら本望ですものね!
子育て中のお母さんたちは、私がインスタのお姉さんとして投稿している情報を、赤ちゃんのオムツ替えのときやグズったときに見せてくれているそうです。
赤ちゃんが私の投稿に集中しているスキにオムツ替えをするなど多種多様な使い方をしてくれているそうです。
5組中3組のご家族とは直接お会いしたのですが、服装はSNSでいつも来ている衣装とは異なる普段着で対面したんです。
そのためインスタのお姉さんと普段着の私が紐付かないみたいで、ちょっと人見知りの子とかは泣いちゃったりするんですよ。
そのときにお母さんが私のInstagramの投稿を見せたら本当に泣き止んでくれて、おぉすごーい!と思いました!
「インスタのお姉さん」というのはInstagramのフォロワーさんが名付けてくれました。
Instagramだと、気軽に動画が楽しめて、出先でも役に立つことができるので、持ち歩けるお姉さんという座右の銘でやっています!

コロナ禍の東伊豆町の飲食店を少しでも応援できないかと始めたテイクアウトの情報発信も、とても反響が良くて、SNSって現代の人にとって一番身近な情報収集の手段のひとつなんだなあと実感しています。

高瀬さん
高瀬さん

高瀬さんが子供向けに展開するInstagramの手遊びアカウントはこちら


コロナ禍で高瀬さんが旗揚げ役となった、
町内飲食店のお持ち帰り・デリバリー情報を
取りまとめた「東伊豆エール飯」

荒武
荒武
その他にも情報発信で取り組まれているのが、YOUTUBEチャンネルの「東伊豆って知ってますか?!」だと思うんですが、そちらも観光促進の一環として取り組まれていることなんですか?

そうです。同時期に移住をした、相方の東伊豆町観光協会の青嶋さんと地元の方に知ってもらいたいという思いで始めた取り組みになります。注目してもらうためにうたのおねえさんの格好をしてやっています。地元向けにあるとことで、地域の人に認知していただくことができました。
地元の方に知ってもらうという、当初の目標は達成できたということで、今後はおしゃれな方向性にシフトしていこうと考えています。次のステージは万人向けに情報を発信するという新しいテーマにチャレンジしていきます!
調べてみるとYOUTUBEの利用者は、ご飯を食べながら流し見するような人たちが多いということなので、今までのように特別目立つようなことをすると胃もたれしちゃうと思うので(笑)、スタイリッシュに音楽と映像メインの構成で動画を発信していきたいと思っています。
高瀬さん
高瀬さん

YOUTUBEチャンネル「東伊豆って知ってますか?!」

荒武
荒武
これからの挑戦も楽しみですね。
お仕事についての質問は以上でございます!
この一年間東伊豆町に暮らしてみていかがでしょうか?

暮らしぶりは快適です。
コロナウイルスの影響が出たときは一段と感じました。
家族や友人の話で東京は外にも出られず窮屈だと聞きましたし、Instagramではママさんから、子供たちとの時間が増えて、精神も体力も限界に近い状況だという情報を受け取っていました。
都心からはマイナスの情報が多く届きましたが、ふと外に出てみると伊豆では川や海で遊んでいる親子を見かけることができました。
自分が川で遊んでいる家族を見ることで自分の不安も軽減される、目を向けた先に癒やしがあるということが本当にありがたいなと思いました。
それが東京になるとみんなマスクしたり、いつも人通りがある場所に誰もいない映像に不安を感じましたが、東伊豆には一歩外に出ると不安を抑えてくれる光景があるので、こっちに住んでいてよかったと感じました!
高瀬さん
高瀬さん

ただ、自然災害は怖いなと思っています。
昨年(2019年)の台風では、はじめて自然災害の被害を目の当たりにしました。
海沿いの住まいでは危険を感じ、近隣のホテルに避難しました。
いざ翌日返ってみると、道路の並木が倒れていたし、川も氾濫の影響で被害が出ていまして、備えていても自然にはかなわないこともあるんだと感じました。
昨年の体験を受けて、自然災害がいつ起きてもおかしくないという危機感が高まり、これまでの災害についてを考え直すことができました。
自然災害を目の当たりにし、今までの考え方やこれから大事にしていかないといけないことを見直すきっかけになりました。
この経験をこれからも忘れないようにしようと思っています。
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
快適さの裏側には怖さもあって、いろいろと深く考えさせられる出来事が自然の中にはありますよね。
では、最後の質問になります。
ズバリ!高瀬さんの夢はなんでしょうか?
私の夢は東伊豆のインフルエンサーになることです。
私は、魅力的な、「もの」だったり「人がいるところ」に人は集まると考えています。
20代で田舎に移住をすると、世間には驚かれるんですよね。
驚かれるということは、みんな関心があるということだと思います。
なので私のことを知ってもらって、東伊豆に移住するまでに至った魅力って何なのかっていうのをどんどん発信していって、東伊豆に行ってみたいと思ってくれる人を増やすことが理想です。
だからこそ、ただ移住して町民になったというところでは終わりたくないなと思っています。
移住してきた理由であったり、住みたいと思った町の魅力を発信して、多くの人にこの町に訪れてもらうのが私の理想です。
あえて移住者である意識を忘れないようにしていかないとなと思っています。
高瀬さん
高瀬さん
荒武
荒武
僕自身も地元に溶けこみたいけど、溶けこみすぎるとこれまで魅力的に見えていたことが見えなくなってしまうのではないかというジレンマを感じることがあるのですが、高瀬さんは東伊豆に住むことだったり、地元の人達との関わり方で意識していることはありますか?
私も移住して一年目の夏にわからなくなる体感をしました。
それは例えば、どこか東伊豆の写真を撮るといったときに、これは誰目線なんだろうと我に返るんですよね。これは私が以前観光客としてきて魅力的に感じた目線なのか、それとも住んでいていいと思っている目線なのかわからなくなるというジレンマでした。
そう感じるようになってから以降は気にすることをやめて、私がきれいだと思ったものはきれいだと発信していくことに決めました。
そこからは情報発信するときには、「私」が魅力的に感じるものへの情報発信を心がけています。
これらの体験からインフルエンサーになろうと思ったところにつながったのかもしれません。
基本を自分にして、私の見る景色、私の人生を見てもらっていると考え方をシフトチェンジして発信していこうと考えるようになりました。
そうするためには自分を磨き続けないといけないし、ある意味自分を商品だと思って情報発信に取り組む様になりました。
シフトチェンジして情報発信し始めたタイミングで、ファンが実際に足を運んでくれたので、この考え方でいこう!と後押ししてもらえました。
そして、Instagramを頑張っていたら、女性のキャリア重視の大会に声をかけてもらいました。
自分が今やっていることにフォーカスを当てて評価してくれるという大会なので挑戦したいと思っていて、そこでもたっぷり東伊豆の魅力をたくさん発信していこうと思っています!

移住一年目に迎えた、シフトチェンジによって物事の流れが変わったなと自分の中で思いました。

高瀬さん
高瀬さん

インタビュー後、高瀬さんは女性のキャリア形成における大会の東海大会にて
グランプリを獲得!全国大会に歩を進めることとなりました!

荒武
荒武
高瀬さん今日はお話をありがとうございました!
自分自身がいいものをいいと言うこと、忘れてしまっていた気がします…
移住して一年間でたくさん考えて、様々な情報発信を行ってきた高瀬さん、今後のご活躍も楽しみにしています!!